art space kaneshiro

源平合戦図屛風
其の壱 いざ参らん、一の谷の戦いへ!

2024年6月15日(土)~11月17日(日)
9:00~18:00
京都市立芸術大学 C棟6階アートスペースk.kaneshiro
無料

CONCEPT

第3回企画展「源平合戦図屛風ー其の壱 いざ参らん、一の谷の戦いへ!」を開催いたします。源平合戦を題材にした本作のような屏風形式は、近世に多く描かれました。本作は江戸時代に制作された金地濃彩の屏風で、今回初めて紹介するものです。 六曲一双の右隻には生田・一の谷の戦いが、 左隻には屋島の戦いが描かれており、本展では「其の壱」として右隻を展示します。保存状態が良く、源平合戦の主要な場面がいきいきと描かれており、今回は特に左2面(第5、6扇)に描かれた数々の名場面に着目した展示を行います。登場する数多の源氏と平氏の武士達の、各々の心情までもがうかがい得る、豊かな表情や軽快な動きの描写は必見です。
なお、本作の一部分である 「敦盛の最期」 のシーンを、本学日本画専攻の大学院生が模写した作品も解説付きで展示します。
学生たちで作ったリーフレットをお手に取っていただきながら、是非ごゆっくりご鑑賞ください。

【展示作品】
《源平合戦図屏風》右隻 1点
《源平合戦図屏風》右隻の部分模写 伊藤岬筆《敦盛の最期》 1点

【本展の見どころ】
1.江戸時代作の《源平合戦図屏風》(六曲一双のうち右隻)の初公開
2.細部の様子を詳しく解説
3.本学日本画専攻の大学院生による模写作品《敦盛の最期》を展示

COLLECTION

《源平合戦図屏風》(右隻) 江戸時代 紙本金地着色 151.2×364.0cm 金城コレクション蔵
《源平合戦図屏風》(右隻) 江戸時代 紙本金地着色 151.2×364.0cm 金城コレクション蔵

金城コレクションの《源平合戦図屛風》は右隻に「生田・一の谷の戦い」、左隻に「屋島の戦い」が描かれる六曲一双の新出の作品です。右隻は、画面右上に奇襲をかけに行く源義経・武蔵坊弁慶ら源氏の軍勢が、その下には生田の森での合戦、中央に安徳天皇が居られる平家の城郭、そこから左下の海へと源氏に追われて逃げる平氏たち、またその上には「敦盛の最期」を含め、源平が入り乱れる一の谷の戦いの様子が迫力をもって、絢爛豪華に描かれ、屏風の右から左へと画面が展開していきます。江戸時代の作で、作者は不明ですが、各武将の顔の描き分け、兜や甲冑などの詳細な描写に加え、凄惨な場面も生々しく描かれており、全体を通して細部まで抜け目のない表現は作者の腕の良さを窺わせ、優品といえるでしょう。