骨董のある生活
- 会期
- 2023/10/01(日)
〜2024/03/14(木)
- 会場
- 京都市立芸術大学 C棟6階 アートスペースk.kaneshiro
- 入場料
- 無料
CONCEPT
記念すべき第一回は、企画展「骨董のある生活」を開催します。
金城コレクションの誇る作品を、金城氏のエッセイ「骨董のある生活」を元に、氏の収集の歩みに沿いながらご紹介します。
かって「好古癖」と呼ばれた骨董の収集は、近代の文学者によって自身の美意識の表明という表現活動となりました。それぞれの眼力を競い合うような文学者の交流は、さながら現代の SNS の如く盛んになり、影響力のある者は多くのフォロワーを生みました。
文学青年であった金城氏は若くして骨董と出会い、その後事業に成功して貴重な資料や美術品を収集します。また古今東西の細かな工芸品の数々もまた愛着のあるものでした。こうした品々を手元に置き、好きな時に好きなだけ触れることは、遊びでもあり歴史や文学へのイマジネーションの糸口でもありました。ここに展示されるのは、そのほんのひとすくいですが、一人のコレクターの夢の形として伝えることができれば幸いです。
COLLECTION
不明取手付無花果葉型鉄皿
金城コレクション第1号。金城氏が17、8歳の頃に東寺の弘法市で初めて手に入れた思い出の品。
横山大観藻刈
藻刈図の題は「儲かる」の発音と掛けて商売繁盛を願う吉祥図とされる。富士山の背後には淡い朱色をのせており、日の存在を感じさせる。
梅原龍三郎牡丹図
大振りで自由奔放なタッチで花瓶に生けられた牡丹が描かれている。
谷崎潤一郎書簡
奈良国立博物館に勤務する美術史家・上原昭一に宛てた手紙。
河井寛次郎黒釉鉄打掛扁壺
黒釉の壺に所々赤茶の釉が入れられている。壺は上からのぞくと扁平な八角形に見える。
濱田庄司柿釉抜絵花瓶
赤茶色のつやつやとした壺の表面には2本の横線と濱田の得意とする黍文(きびもん)が描かれている。
今井政之ウマヅラハギ壺
「面象嵌」という技法が用いられ、明るい色味のウマズラハギが赤茶色の背景に明瞭に浮かび上がって見える。
正岡子規選正岡子規選句稿
子規に送られた各家の俳句を書き留めた手控えの選抜句草稿。
横山操高原
横山操は富士山や十勝岳、桜島などの雄大な山を描いてきた。本作も雪の残る標高の高い山が描かれている。
不明孔雀牡丹図蒔絵小物入書棚
牡丹に孔雀、松に雀図を金蒔絵で表した豪華絢爛たる作品。
近藤浩一路白雲
水面に浮かぶ舟と雲の広がる空を描いた作品。